小石原焼・高取焼と暮らす人々②
器との出会いも
「一期一会」

福岡県筑前町 むぎわらFARM 林亮輔さん・美帆さん

朝倉郡筑前町で農業と民泊を行っている林さん夫婦。民泊では参加者と一緒に畑に出て、食卓を囲み、夜は同じ屋根の下で眠る。「その日だけは家族になります。うちで一回立ち止まってまた旅立っていく。どの出会いも一期一会だし、また戻ってこれる場所でもありたいと思っています」と亮輔さん。
夕食はその日収穫した野菜を使って一緒に作る。料理担当は美帆さんだ。「小・中学校生の子と作る時は、好きな器を自分で選んで、食材を自由に盛りつけてもらいます。普段やらないことなので、みんな楽しそうにやっていますよ」。

小石原焼はもともと亮輔さんの父親が好きで、小さな頃から身近な存在だった。むぎわらFARMの看板は仲の良い窯元に作ってもらい、自分たちの商品を紹介するパンフレットにも東峰村の器を使っている。
「僕の場合、器を選ぶ時は“人”です。窯元に通ううちに仲良くなるし、『これは○○さんのだなぁ』と想いながら使うことで、よりいっそう器の深みが増します」。ここ数年で器の数はぐんと増えていった。
食卓には美味しそうな手料理と、林さん夫婦が惚れ込んだ窯元の器たち。そのひとつひとつのエピソードがまたご馳走だ。

◆ ABOUT - むぎわらFARM - ◆

農業歴15年の亮輔さんと、管理栄養士の資格を持つ美帆さん。加工品の製造・販売のほか、ワークショップなども開催。

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